子どもが歯をぶつけたら
2021年10月12日
「子どもが歯をぶつけたら」
歯をぶつけたりしてケガをすることを外傷と呼びます。
歯の外傷で多い部位は上の前歯です 。
よちよち歩きでテーブルの角で打った 、走っていて転んで床で打った、友達の頭がぶつかった等。
年齢でみると、圧倒的に多いのは乳幼児期から小学生の子どもたちです。
出血すると、口の中なので血が唾液に交じって、かなり血が出ているように見えて、驚いてしまうことが多いのですが、
まずは落ち着いて、どこをぶつけたのか、どこから出血しているのかをよく見ることが大切です。
歯をぶつけたといっても、その状態と対処法はさまざまです 。
血も止まって歯も見たところ異常なしであれば、経過観察でいいでしょう。
歯がグラグラしている場合は、歯の固定が必要なこともあります。
歯がかけたり、歯が折れたり、抜けてしまった場合でも、元に戻せる可能性があります。
いずれの場合も、なるべく早く歯科医院を受診しましょう。
しかし、ぶつけた時は何でもなくても、数日後に痛みが出たり、1ヶ月くらい経過した後に、歯の色が次第に黒くなってくる場合もあります。
その場合、神経の治療が必要になることがあります。そのまま放置すると、痛みが出たり、永久歯に影響を及ぼすこともあります。
異変を感じたら、放置せずに歯科医院を受診して、ぶつけた経緯を説明しましょう。
もし歯が抜け落ちてしまっても、場合によっては歯を戻すことが可能です。
その場合、抜けた歯を持参して、できるだけ早く受診してください。
まず水道水で歯についた汚れを落とします。落とすといっても、この時、ゴシゴシこすらず、根の部分の組織(歯根膜を)を取らない程度にしておきましょう。
次に、歯が乾燥しないように水中に保管します。乾燥した状態が長く続くと元に戻せなくなる可能性が高くなるので、湿った状態で保管してください。
学校の場合は歯牙保存液というものがあればその中にいれてください。
ない場合は、新品の水のペットボトルや牛乳の中に歯をそのまま入れてください。
ただし転倒した場合、頭などを打っている可能性もあります。
まず連れていくのは何科になるのかを冷静になって考えましょう。
歯科領域に外傷があった場合でも、他に症状がある場合は優先しなければならない科もあります。どのようなケースにおいても、気になることがあれば医療機関を受診し、共に経過観察していくことが大切です。
月日を経たのちに症状、変化が出てくる可能性も十分にありますので、ぶつけた箇所は、その後も気にかけて、ご家庭でもよく見ていくようにしてください。
普段から定期的に通院してれば子供も安心して受診することが出来ます。初めてで泣いて暴れると処置も困難で、助かる歯も助かりません。
普段から急な外傷を受入可能な歯科医院を定期的に受診なさることをおすすめします。
監修 大串 博
歯科医師臨床研修指導医
日本歯周病学会 専門医
日本口腔インプラント学会専門医
日本臨床歯周病学会 歯周病指導医・認定医 ・歯周インプラント指導医
日本顎咬合学会 認定医
日本アンチエイジング歯科学会認定医
日本歯科医師会認定産業歯科医
インビザラインダイヤモンドドクター
日本審美歯科学会会員
日本血液学会会員
点滴療法研究会会員 高濃度ビタミンC点滴療法認定医
日本歯科医師会会員
「鬼手仏心」
歯科医になった時からの座右の銘です。
生涯常に研修・精進、メスを置くまで終わりのない道を登り続けます。
舌小帯|福岡市中央区六本松 スマイルライン歯科矯正歯科六本松
2021年9月19日
舌小帯短縮症とは?
舌小帯(ぜっしょうたい)というのは舌の下面と、下の前歯の付け根に通じる粘膜で、この小帯が短かったり舌の先端までついていたりするのを舌小帯短縮症(舌小帯萎縮症、舌強直症)といいます。
舌小帯強直症は、舌小帯(ぜっしょうたい)の短縮により舌の運動が制限され、その程度にもよりますが、授乳困難、発音障害(特にラ行、タ行、サ行)、舌突出癖(舌の動きが影響し歯並びにに問題を生じる)、咀嚼障害などの原因になるといわれています。
舌小帯強直症のために、ミルクを上手に吸えず、体重が思うように増えない場合は、生後間もない頃、あまり小帯の感覚もない時期に、無麻酔で切ることもあります。
そうでない場合は、4~5歳ごろまで経過観察を行い、その頃になっても舌を上に上げられず、舌の先が上顎の切歯まで到達できない、あるいは下顎の切歯よりも前に出せない、場合などは発音や構音の障害(いわゆるしゃべり方がおかしい)になるような時は、処置を考えた方がよいでしょう。
その際の術式自体は局所麻酔をして治療ができるお子さんなら比較的簡単に受けられる程度の治療です。
切除術を行う場合、ただ単に切除するのではなく、術前、術後に舌を挙上する訓練の指導を行わないと舌小帯切除後の瘢痕治癒、舌を挙上する力、発音等に良い影響が現れないことが多いとされていますので、当院では、舌小帯の処置をされた方には、舌のトレーニングを行っています。
舌小帯短縮症について
舌小帯短縮症
舌小帯短縮症(俗称、つれ舌)または舌癒着症は、舌の裏側にある膜状の組織が舌の先から歯茎に伸びているために舌の動きが制限される先天性の異常です(写真1)。そのため赤ちゃんの時期に哺乳が上手にできなかったり、3~5歳になって発音がはっきりしなかったりします。
症状について
浅飲み
赤ちゃんの乳房への吸い付きが浅い。
眠り飲み
吸い付きが弱いため、哺乳不十分のまま疲れて眠ってしまう。
体重が増えない
哺乳量が不十分の可能性があります。
乳首が痛い
舌で吸えないため歯茎で乳首を噛まれるためです。
乳房がしこって痛い
哺乳力が弱く乳管が詰まりやすいためです。
舌先がハート型になる
舌先が歯茎に固定されているためです
舌足らず
舌先を使う「ら行」「さ行」「た行」などの発音が不明瞭です。
親も子どもの時に舌小帯を切った
遺伝性があります。
アイスクリームを舐められない
左:舌が下唇を越えない。右:舌が反り返る
舌を長く出せないばかりか、舌先を持ち上げることができないためです(写真3)。
このような短い舌小帯は歯並びなどにも影響を及ぼします。
おもな症状は
①舌が上がらないためタ行やラ行が発音しにくい。
②口呼吸になりやすい。
③かみ合わせが受け口になりやすい。
④上の歯の歯並びが悪くなる。
↑この④は舌が上あごに押しあてられないことで上あごが狭くなり、歯が並びきらなくなってガタガタとした歯並びになるということです。
舌小帯短縮症の治療の是非をめぐる歴史
舌小帯切開は古くから行われている手術です。
ところが日本では1980年頃から小児科学会は舌小帯切開に反対でした。これは哺乳に対しての見解です。
しかし2000年代になって、それまでミルクが主流だった欧米で母乳栄養の重要性が唱えられるようになり、「舌小帯切開術は哺乳障害を改善する可能性がある。」という研究論文が数多く発表されるようになりました。2009年に、WHOの「乳幼児の授乳~教科書のモデル・チャプター」にも「舌小帯短縮症が哺乳障害の原因になっている場合には、舌小帯切開を行う医療機関に患児を紹介する必要がある。」と記載されました。
また2017年に、米国小児科学会が、「母乳栄養に優しい小児科外来の指針」を報告しましたが、そこには「舌小帯や上唇小帯の切開は吸啜(きゅうてつ)、授乳、哺乳量を改善する可能性がある。地域の母乳栄養相談員や小児科医が必要と判断したら、切開の経験をもつ医師に迅速に紹介すべきである。」と書かれています。
そのような状況下で日本歯科医学会が2018年5月に舌小帯短縮症に対する治療指針を打ち出しました。これは歯科に「口腔機能発達不全症」という新しい病名が厚生労働省より認可されたことへの対応です。
「口腔機能発達不全症」評価マニュアルでは「保護者・保育関係者は子どもの舌がハート形ではないかをチェックし、歯科医は舌小帯の異常をチェックすべき」としています。そして対応策としては「哺乳障害、摂食障害、発音障害がある場合は、切除術を行う」ことを推奨しています。
舌小帯短縮症は歯列不正を引き起こす原因となります。その為異常があれば4~6才頃には切除した方がいいケースが多いです。
福岡市中央区六本松の小児歯科医院、スマイルライン歯科・矯正歯科六本松
監修 大串 博
歯科医師臨床研修指導医
日本歯周病学会 専門医
日本口腔インプラント学会専門医
日本臨床歯周病学会 歯周病指導医・認定医 ・歯周インプラント指導医
日本顎咬合学会 認定医
日本アンチエイジング歯科学会認定医
日本歯科医師会認定産業歯科医
インビザラインダイヤモンドドクター
日本審美歯科学会会員
日本血液学会会員
点滴療法研究会会員 高濃度ビタミンC点滴療法認定医
日本歯科医師会会員
「鬼手仏心」
歯科医になった時からの座右の銘です。
生涯常に研修・精進、メスを置くまで終わりのない道を登り続けます。
虫歯を放置|福岡県福岡市中央区六本松の歯医者
2021年9月5日
虫歯を放置すると起こるリスクとは?
虫歯を放置すると起こるリスクについて
たかが虫歯と侮るなかれ、虫歯を放置すると命にかかわる大事になってしまうこともあります。
リスク1. 食欲不振に陥る
物が上手く噛めなくなる。なによりこれに尽きます。水を飲んでもしみる、何を食べても痛くて痛くて食べられるのはおかゆなどの歯ごたえのないものばかり。自然に食欲不振になっていきます。
歯もどんどんボロボロになっていってしまいます。そうなると栄養が摂取できずに体力も落ちていき、体が弱ってどんどん抵抗力が落ちてしまうのです。他の病気にもかかりやすくなるなどい良いことは何もありません。
リスク2. 絶え間ない痛みに襲われる
痛みも激しいです。歯の痛みは、我慢できる類のものではありません、一時的に弱める方法があってもあくまで一過性で結局はぶり返してきます。最初は物を食べたり飲んだりしないと起こらない痛みでも、進行が進むと何もせずとも痛みが襲うようになります。
そうなっては平静に日常生活をおくることができなくなり、睡眠も妨げられ、体を壊してしまいます。激痛のあまり自分で抜歯してしまう方もいますが、そうなると消毒が十分でなく感染症にかかったり化膿してしまう危険性があります。
リスク3. 口臭が酷くなる
虫歯になると、口臭が発生することがあります。その匂いは、チーズのような魚が腐ったようなと例えられるような腐敗臭です。非常に嫌な臭いで、周囲に悪影響を起こして人間関係のトラブルのもとになったりもします。
また、口臭スプレーやキャンディが欠かせなくなりますので、当然口内環境は荒れていき、いっそう虫歯の進行を進めてしまいます。虫歯による口臭は、大元の虫歯が治らないとおさまらず、歯を磨いても消えません。
口臭の原因1. 歯が溶けることによる異臭
虫歯が深くなると、虫歯菌によって歯が溶かされ、グジュグジュと軟らかくなって発酵し、口臭を発生させます。 差し歯の方は特にご注意ください。差し歯は歯の神経の治療がされている事が多いため、中で虫歯が進行しても気づかず、歯が腐り口臭が発生してからやっと虫歯に気付く方が多くいらっしゃいます。
歯の神経が死ぬと歯の中でそれが腐り、歯の根の先から細菌がバラまかれます。
一方身体はそれに反応し、細菌が身体に侵入しないように袋を作って細菌を覆おうとするのです。
細菌を覆った袋は徐々に大きくなりますし、この袋は言わば細菌の塊のような状態になっています。
そうなると、歯肉が腫れて痛むようになるのです。この状態になると、容易な治療では治せません。
歯の根の治療をする必要がありますし、腐った箇所も除去しなければなりません。
さらに状態によっては歯肉を切開し、大きく膨らんだ膿みの袋を取り除く治療が必要です。
口臭の原因2. 炎症による異臭
虫歯が進行していくと、歯の神経を腐らせてしまうことがあります。 痛みが出れば気づくのですが、知らぬ間に歯の神経が死んでしまったり、痛みをこらえたら痛みが引いてしまったのでそのまま放置していると、歯の神経が腐ってしまいそこから口臭が発生します。
口臭の原因3. 膿疱による異臭
歯の神経が死んでしまうと歯の神経の空洞に細菌が増え、根の先に膿の袋ができます。 膿の袋が大きくなると歯茎に白いおできのようなものができて、そこから膿が出され口臭が出ます。
この膿の出口はできたり、潰れて引いたりします。不衛生なだけでなく、そこから口内炎になったりほかの病気の原因になったりします。
口臭の原因4. 出血及び体液による異臭
虫歯が歯茎の下まで進行すると、歯茎が腫れ、虫歯によって歯茎の周りが不潔になり、出血します。 血生ぐさい臭いや歯茎から出る液、膿が口臭の原因になり、変な味がして食事にも影響してきます。
口臭の原因5. 歯垢・歯石による異臭
口の中にプラーク(歯垢)や歯石が多く付いていると口臭が発生します。プラークは細菌の塊で、ヌルヌル、ベトベトしたもので、歯磨きのあとのチェックする薬品で濃く染まる部分を言います。
このプラークはそのままにしておくとやがて発酵し、口臭の原因となります。また、歯石は歯茎が腫れる原因となり、その結果出血や化膿を促して口臭の元ともなります。
リスク4. 顎が変形してしまう、骨髄炎になる
末期まで虫歯が進行してしまうと、そこから顎に感染し変形してしまうこともあります。まさかと思う方は「虫歯 顎 変形」で検索してみてください。とても笑っていられなくなってしまいますよ。
骨髄炎は熱や嘔吐が起こる辛い病気です。歯の根の中の虫歯菌が顎の中に広がることで骨髄に細菌が感染し、
顎の骨を腐らせて骨髄炎を起こします。骨髄炎を治すには抗生物質の点滴が必要ですが、
近年では抗生物質が発達したことで治療効果自体は上がっています。とは言え、骨髄炎が慢性化すると再発が繰り返されるため、そうなると治療が難しくなってしまいます。
また、厄介なのは骨髄炎とすぐに気付けないことです。熱や嘔吐が起きれば真っ先に風邪を疑いますし、
最初は風邪薬や吐き気止めを飲んで対応してしまうからです。
リスク5. 歯を失う
悪化した虫歯は、歯を取り除く必要にかられる場合があります。自分の歯は、どうやっても再生させることができません。痴呆には、自分の歯の本数が関係していると言うデータもあり、差し歯があるから大丈夫とはとても言えないのです。
リスク6. 心臓病など他疾病を引き起こす
虫歯の放置で最も怖いのは、それが原因で命にかかわる病気を招く恐れがあることです。
虫歯を放置することによって虫歯菌が血液に侵入し、血管を通じて全身に回ります。
この時、虫歯菌が脳に回ることで脳梗塞を引き起こし、心臓に回ることで心筋梗塞を引き起こすのです。
確率としては稀ですが、実際に虫歯を放置して死に至った例があることも事実です。
死亡の原因は脳梗塞や心筋梗塞ですが、それを招いた要因は虫歯の放置にあります。
治療の痛みは確かに嫌ですが、だからといって放置すると死に至る病気を招いてしまうのです。
六本松の小児歯科ならスマイルライン歯科・矯正歯科六本松
監修 大串 博
歯科医師臨床研修指導医
日本歯周病学会 専門医
日本口腔インプラント学会専門医
日本臨床歯周病学会 歯周病指導医・認定医 ・歯周インプラント指導医
日本顎咬合学会 認定医
日本アンチエイジング歯科学会認定医
日本歯科医師会認定産業歯科医
インビザラインダイヤモンドドクター
日本審美歯科学会会員
日本血液学会会員
点滴療法研究会会員 高濃度ビタミンC点滴療法認定医
日本歯科医師会会員
「鬼手仏心」
歯科医になった時からの座右の銘です。
生涯常に研修・精進、メスを置くまで終わりのない道を登り続けます。
小児歯科治療の保隙装置とは?|福岡市中央区六本松の歯医者
2021年8月25日
子どもの乳歯を、虫歯やケガなどが原因でやむを得ず抜歯をしたときは、保隙装置を使用しなければなりません。
永久歯に生え変わる乳歯ですが、本来の役目を果たさずに抜けてしまうとさまざまな問題が起きてしまうのです。
保隙装置を使わないとどうなってしまうのかを理解したうえで、必要となる治療を受けさせましょう。保隙装置とひとくちにいっても種類はさまざまです。
子供の歯である乳歯は、生えてくる順番や抜け落ちる順番というのが決まっています。
いずれはすべて大人の歯である永久歯に生え代わるのですが、順番が狂ってしまうと、歯列不正などのトラブルを引き起こします。
何らかの理由で入試が早期に抜けた場合に利用するのが「保隙装置(ほげきそうち)」と呼ばれる器具です。
ただし、通常の生え変わりによって自然に乳歯が抜け落ちた場合には、保隙装置を使う必要はありません。
生えているべき乳歯を失ってから、永久歯が生えてくるまでに半年以上かかると予想される場合には、保隙装置を付ける事をおすすめします。
ここでは保隙装置について詳しく解説します。
保隙装置ってなに?
保隙装置とは、「隙間(すきま)を保つ」ための装置です。そこで気になるのが、なぜ隙間を保つ必要があるかですよね。
乳歯が予定よりも早く抜け落ちてしまった際に用いられるものですので小児歯科で活用されています。
歯は隙間を埋める性質がある
私たちの歯は、歯列の中に隙間ができると、そこを埋めようと動く性質があります。
両隣の歯は、隙間へと倒れ込み、もともと噛み合っていた反対側の歯は、隙間に向かって伸びていきます。
これが乳歯から永久歯に生え代わる時期に起きてしまうと、あとから生えてくる永久歯のスペースがなくなり、歯列不正を起こします。
どんな歯列不正が起こるの?
乳歯が抜け落ちたあとの隙間は、放置することで徐々に狭まります。
その結果、下に控えている永久歯が正常に生えることができず、歯列からはみ出す形で生えてくることがあります。乱ぐい歯や八重歯、出っ歯などが起こります。
また、早い時期に抜け落ちた乳歯に対して、保隙装置を用いず放置すると、永久歯が全く生えてこない場合もありますので注意が必要です。
このように、乳歯の早期脱落に対しては、保隙装置による治療が必要となるケースが多いです。
乳歯が抜け落ちても「いずれ永久歯が生えてくるから」と油断していると、隙間が閉鎖して、上述したような歯並びのトラブルを引き起こすことがありますので要注意です。
お子さまの歯の生え代わりで気になる点が出てきたら、すぐに来院して下さい。それが正常なのか異常なのかを診断します。
主な保隙装置の種類
保隙装置といっても、種類はさまざまです。失った乳歯の場所や本数などによって使い分けなければなりません。
保隙装置の治療にはもともと保険を適用できませんでしたが、2016年度から保険が使えるようになりました。
ただし、残っている乳歯が装置の支えとなることや6歳臼歯は支えとしないことなど、条件はいくつかあるので注意が必要です。
バンドループ
乳歯がなくなってできた空間を維持するために、歯にバンドを巻いてそこにループを取りつけます。太いワイヤーで歯を支えることによって、あいてしまったスペースに倒れ込んでしまうのを防ぐのです。
このようにして確保した場所に永久歯が正常に生えてきたらバンドループは取り外します。
クラウンループ
作りはバンドループと似たものです。バンドループが支えとなる歯にバンドを巻きつけるのに対して、クラウンループは乳歯冠を被せることで支えとします。歯が欠けた部分をループで保つ仕組みは同じです。虫食いなど、さまざまな事情でバンドが巻けない歯の場合は、こちらを使用します。
ディスタルシュー
乳歯のなかで一番奥に生えている第二乳臼歯を失った場合に、第二乳臼歯のさらに奥から生えてくる6歳臼歯と呼ばれる第一大臼歯の位置を誘導するために使用する装置です。
第一大臼歯が前に傾いて生えてくるのを防ぎ、正常に出てこられるように、かぎ状に先端が曲がった装置をつけておくのです。
リンガルアーチ
リンガルアーチは舌側弧線装置ともいわれます。奥歯にバンドを取りつけて歯の裏側に太い針金を通し、バネをつけて歯を動かしていきます。歯の裏側につけるため、基本的に外側からは見えないようになっています。完全に固定されるため、自由に着脱はできません。
小児義歯
自分で簡単につけ外しのできる子ども用の義歯(入れ歯)を入れて、失った乳歯の代わりとします。食べ物を噛む機能を補えるのがほかの保隙装置とは大きく違う点です。子ども用の義歯は、前歯用と奥歯用に分かれます。
歯並びをよくするための装置ではない
保隙装置は、乳歯がなくなったことが原因で永久歯の歯並びが乱れるのを防ぐために使うものです。矯正治療のように歯並びをよくする目的で使用するものではありません。
ですから、保隙装置を使って確保していたスペースに永久歯が生えてきたら装置は外さなければなりません。
最後に
永久歯が正常に生えるために必要な保隙装置ですが、あまり長い期間つけたままでいると、顎の成長に悪影響を及ぼす可能性があるので気をつけなければなりません。永久歯が生えてきたら、装置は外しましょう。
また、装置をつけていることで歯に汚れが溜まりやすいうえに、歯みがきが上手にできなくなるので虫歯になるリスクが高まります。保隙装置をつけている間は、メンテナンスをかねて歯医者さんの診療を定期的に受けるよう心がけてください。生えかわりの時期がくる前になんらかの理由により乳歯が抜けてしまったら、そのままにしておいてはいけません。あいたスペースにまわりの歯が倒れてくるなどして、永久歯が生えてくるべき場所が奪われてしまいます。結果、永久歯の歯並びが悪くなってしまう可能性が高まるのです。
存在するべき乳歯が失われた場合には、小児歯科や矯正歯科で処置を受けるようにしてください。適切な処置を施さないと後悔することになってしまいますよ。
六本松の小児歯科ならスマイルライン歯科・矯正歯科六本松
監修 大串 博
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「鬼手仏心」
歯科医になった時からの座右の銘です。
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