保険診療、自費診療、保険外治療(自由診療)の違い
保険診療は我が国が治療を行うための診断方法、治療方法を費用、材料ともに厳格に決めたもので、それを遵守しなければならない診療システムです。
世界でも優れたシステムと言われ、広く多くの国民に平等に医療を提供するために戦後作られたシステムです。そのため、一番のメリットはどの地域でも医療機関でも費用が同じで、安価に治療を受けられる点にあります。しかしその反面、患者一人に注げる時間、労力には限りがあるために、その方に合った治療を提供するという意味では不十分になることがしばしば発生するという点が問題点です。
自費診療とは保険診療を基本とし、患者様が自費(私費)で費用を負担して、通常の保険内の治療より良い治療を選択することができるものです。
みなさんがよくご存知のものでは、銀歯ではなくセラミックスの歯を選択するといった場面です。
こちらは保険外診療(自由診療)とよく混同されてしまうのですが、明確に違いがあります。
上記のように保険診療をベースとしているために、あくまで国の定めたルール内で行われるものであるため、いくら歯科医学的に患者様に利益があるとしても、歯科医師の裁量で治療の方法、順序などを自由に効率的に決めて行くことなどの行為はあまり推奨されません。
保険外診療(自由診療)とはなにかというと、歯科医師と患者様の間で合意があれば、その多くが許容されるものと考えられています。
皆様が一番よくご存知なのは矯正治療です。矯正治療は国の管理のもとに行われているものではありません。(場合により一部保険適応)インプラント治療も本来はこちらに入るとも考えられます。
その患者様にとって最適で効率的な治療を歯科医師が規制されることなく行うことができます。
それは、方法、材料、考え方など多くの部分においてです。