本来とても良い診療方法であるインプラントが絶対だめと言われるのはどうしてでしょうか?
日本口腔インプラント学会認定専門医である理事長が、インプラントは絶対にだめと言われている方がいる理由は何故かを解説しました。
- インプラントを選ぼうと思っていたけど、良くない噂を聞いて心配な方
- 他の治療法であれば安心なのか知りたい方
- インプラント治療が自分にとって、絶対にだめな治療法なのか知りたい方
ぜひ、この説明・情報をご一読ください。
医療法人博道会 理事長 大串 博
「鬼手仏心」
歯科医になった時からの座右の銘です。生涯常に研修・精進、メスを置くまで終わりのない道を登り続けます。
歯科医師臨床研修指導医
日本歯周病学会 専門医
日本口腔インプラント学会専門医
日本臨床歯周病学会 歯周病指導医・認定医 ・歯周インプラント指導医
日本顎咬合学会 認定医
日本アンチエイジング歯科学会認定医
日本歯科医師会認定産業歯科医
インビザラインダイヤモンドドクター
日本審美歯科学会会員
日本血液学会会員
点滴療法研究会会員 高濃度ビタミンC点滴療法認定医
日本歯科医師会会員
1:「インプラントは絶対にだめ」と言われる6つの理由!
「インプラントは絶対にだめ」と言われるのは、以下の6つの理由が関係しているケースが多いです。
①外科手術のリスク
②全身疾患やあご骨が少ない場合のリスク
③治療期間が長い
④治療費が高い
⑤治療後のインプラント周囲炎リスク
⑥再治療の難しさ
1-1:外科手術のリスク
「インプラントが絶対にだめ」と言われる理由には、外科手術が必要になることが関係しているケースが多いです。
たしかに、外科手術を行う以上はリスクを0にはできません。
- 3DCTを使った精密検査で正確な診断が可能
- 感染対策がしっかり行われている
- 難症例に対応可能な専門医の資格を有する歯科医が在籍している
の3つを重視した歯医者で治療を受ければ、安全面を過度に心配する必要はないでしょう。
実際に、厚生労働省委託事業「歯科保健医療情報収集等事業」のデータでも、約90%のインプラントが10年~15年以上持つと公表されています。
不安、リスク回避のためには、歯医者・執刀医選びを慎重に行いましょう。
1-2:全身疾患やあご骨が少ない場合のリスク
- 全身疾患があったり
- あご骨が少なかったりする人は、「インプラントは絶対にだめ」と書かれた記事もあります。
ただし、実はこちらにも対処法があります。
・骨造成や骨移植(人工の骨で不足している骨を補う手術)ができるインプラント専門医である歯科医師にインプラント治療を受ける
・ほとんどの場合、かかりつけの内科医と相談して問題がなければインプラント治療は可能。
・休薬またはコントロール薬を飲んで治療をするケースもある。
絶対にできないと決めつけずに、まずはインプラント治療の難症例にも対応している学会認定インプラント専門医で相談をしてみるのがおすすめです。
1-3:治療期間が長い
インプラントが絶対にだめと言われる理由の中には、治療期間の長さが関係しています。
たしかにインプラント治療は、他の治療法に比べるとインプラントとあご骨が結合するのを待つ時間が必要なため治療期間が長いです。
ただし、手術も日帰りで行えるため、通院回数自体はそこまで多くありません。
また、時間をかけた分耐久性は高く、治療後の持ちは1番長いです。
しっかりお手入れできていれば、当院でも30年以上持つケースもあります。
1-4:治療費が高い
インプラントが絶対にだめと考えられる中で、よくあげられるのが「治療費の高さ」です。
こちらも保険適用のブリッジや入れ歯に比べると、たしかに治療費の高さは気になると思います。
ただし、インプラントは高い代わりに、
- 長持ちする
- 周囲の歯に負担をかけずに済む
- 自然で美しい口元になる
- 自分の歯のようにしっかり噛める
といった大きなメリットがあります。
保険適用の治療法が何度も作り直さなければならなくなることを考えれば、長期的にみると効率的な治療法という考え方もできるのです。
どの治療法にもそれぞれ一長一短があるので、よく比較検討した上で治療を選んでみてくださいね!
1-5:治療後のインプラント周囲炎リスク
インプラントは治療後に「インプラント周囲炎(歯周病のような病気)になるリスクが高いから絶対にだめ」という意見もありますよね。
たしかに、インプラントは入れただけで長く使い続けられる治療法ではありません。
天然歯(自分の歯)と同様に
- 日々のお手入れ
- 歯医者の定期検診
を受けなければ、インプラント周囲炎になる確率が高くなるのです。
ただ、ブリッジや入れ歯を入れた場合でも、お口の健康状態を保つためにはお手入れが必要不可欠になります。
どんな治療を受けても天然歯(自分の歯)でも、お口の中を清潔な状態にしていないとトラブルが発生してしまうのです。
メインテナンスしなくても大丈夫な歯は、存在しません。
人工歯も自分の歯も、清潔な状態を保つようにしましょう!
1-6:再治療の難しさ
インプラントが絶対にだめと言われる理由の中には、「再治療の難しさ」があげられます。
この場合、被せ物(目視で確認できる歯の部分)のみが割れたり欠けたりした場合には、すぐに修復できるケースが多いです。
問題なのは、歯茎に埋め込んだインプラント体が骨の吸収を起こしてぐらついたり外れたりしてしまうこと。
この場合は、インプラントを撤去して入れ歯やブリッジの治療を受けることになる可能性が高くなります。
ただし、
- 歯医者や執刀医選びを徹底する
- 定期検診にコツコツと通う
- 禁煙やナイトガードなどを実践する
の3つを実践すれば、インプラントの再治療を回避できる可能性が高いです。
2:インプラントが自分にとって絶対にだめかどうかの3つの判断ポイント
インプラントが自分にとって絶対にだめな治療法なのかを判断する際は、以下の3つのポイントを意識してみましょう。
①自分の優先順位にあわせて治療を選択する
②他の治療法なら安心で欠点がないのかを考える
③歯医者の質によっても違いが出ることを知る
2-1:①自分の優先順位にあわせて治療を選択する
インプラントが自分にとって絶対だめな存在かどうかを判断する1つ目のポイントは、「自分の優先順位にあわせて治療を選択する」ことです。
患者さまがどんな治療を求めているかで、ベストな治療プランは異なります。
・治療費が高くても、よく噛めて長く使える歯を入れたい
・とにかく治療費を安くしたい
・見た目が自然な歯を入れてほしい
もし、自分がどんな治療法を選べばいいかわからないという悩みを持っている場合には、インプラントを含む総合的な歯科治療を行っている歯医者で相談をしてみるのがおすすめです。
それぞれの治療法のメリット・デメリットをわかりやすく解説してくれるはずですよ
2-2:②他の治療法なら安心で欠点がないかを考える
抜歯後にインプラントが自分にとって絶対だめな存在かどうかを判断する2つ目のポイントは、「他の治療法なら安心で欠点がないかを考える」ことです。
- ブリッジ
- 入れ歯
- 歯牙移植
なら「デメリットがない」「選べば安心」という保証はありません
2-3:③歯医者の質によっても違いが出ることを知る
インプラントが自分にとって絶対だめな存在かどうかを判断する3つ目のポイントは、「歯医者の質によっても違いが出ることを知る」ことです。
インプラント治療は、歯科医師であれば誰でも治療する資格を持っています。
しかし、専門的な治療だからこそ、歯科医師のレベルには差が大きいのが現実です。
同じインプラント治療でも、歯医者(担当医)の腕によって違いが出るケースも多くなります。
3:インプラントは絶対にだめ!、と言われる理由&真相の結論
それでは最後に、インプラントは絶対にダメと言われる理由&真相について簡単におさらいしていきます。
①外科手術のリスク
②全身疾患やあご骨が少ない場合のリスク
③治療期間が長い
④治療費が高い
⑤治療後のインプラント周囲炎リスク
⑥再治療の難しさ
の6つの理由が関係しているケースが多いです。
ただし、治療法や歯医者によっての違いもあるので、
①自分の優先順位にあわせて治療を選択する
②他の治療法なら安心で欠点がないかを考える
③歯医者の技量によっても大きな違いが出ることを知る
の3つを意識して、本当に自分にとってインプラントがダメなのかを判断したほうが、後悔のない治療の選択がしやすくなります。
入れ歯やブリッジなど、他の治療と比較して検討する方法もあります。
自分に合った治療方法を見つけられますが、歯科医に相談した上で決定することをおすすめします。
インプラントをしない方が良い人は?
インプラント治療は、人工歯根を顎の骨に埋め込むため顎の骨密度が低い人には適していません。 骨粗しょう症の方や、高齢で骨密度が低下している方は、インプラント治療の適応外となることがあります。
インプラントの弱点は何ですか?
経済面や手術面で入れ歯やブリッジに劣る
手軽さがない
応急処置としての治療ができない
顎の骨密度が低い人には適さない
骨粗しょう症の方や、高齢で骨密度が低下している方は適応外となることがある
局所の感染
インプラントは何本くらい必要ですか?
インプラントは1本から治療が可能です。失った歯の本数と同じ数だけインプラントをするわけではありません。
通常のインプラントで上顎全部(14本)の歯をつくる場合、8〜10本のインプラント埋入手術が必要となります。すべての歯を失ってしまった場合、通常のインプラント治療では8本~14本のインプラントが必要です。
セラミック歯はなぜダメなのでしょうか?
金属で出来た歯が割れることはほとんどありませんが、セラミックは石に近い材質で金属よりも硬さや曲げ伸ばしの耐久性が弱いです。 ですので、噛み締め等の強い力がかかることで割れてしまうリスクがあります。術者の技量により差が出やすい治療方法です。