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舌小帯・上唇小帯の切除法と腫れや痛み、費用について

    投稿日:2022年3月2日 | 最終更新日:2024年1月4日

    小帯短縮症とは? 舌っ足らず|福岡小児歯科

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    福岡小児歯科

    口の中には唇の粘膜から歯茎につながる小帯というものがあります。正常の範囲ではこの小帯は問題がないものなのですが、短かったり太かったりすると歯並びに影響を及ぼします。

    例えば上唇小帯(じょうしんしょうたい)といって、上の前歯の隙間にある小帯が太くなると、すきっ歯になってしまいます。

    また、舌の裏にある舌小帯(ぜつしょうたい)が短いと受け口になったり、舌ったらずな発音になったりします。

    このように小帯が異常で歯や歯茎に影響が及ぶようになると切除という方法が必要になります。今回は小帯切除の腫れや痛み、費用について紹介します。

     また小帯に異常があると、食事に時間がかかったり(むせやすい嘔吐しやすい、咬まずに食べてる等々)、サ行やラ行の発音が苦手な事が多いです。歯並びも前歯が前に出て、奥歯は内側(舌側)に倒れることが多いです。
    お早めに御相談下さい。

    歯並びに影響を与える小帯の種類

    • 上唇小帯(じょうしんしょうたい):主にすきっ歯の原因になります
    • 舌小帯(ぜつしょうたい):主に受け口や発音障害の原因になりま

    上唇小帯(じょうしんしょうたい)とは、上唇と歯茎をつなぎ、上の前歯の中央部にある「すじ」のことです。1歳半検診の時に太さを指摘されることが多いです。2歳くらいまでは上唇小帯の幅が広く、上の真ん中の歯と歯の間に入り込んでいることがよくあります。成長とともに歯茎の上の方に移動し、幅も狭くなっていきます。上の前歯が永久歯に生え替わってからも、歯と歯の間に小帯が入り込んでいて、歯並びに影響が出るようなときは切除する場合がよくあります。

    上唇小帯のくっつき方が周りに悪影響を及ぼすようなときに上唇小帯付着異常(じょうしんしょうたいふちゃくいじょう)と呼びます。

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    上唇小帯付着異常

    上唇小帯が太いことによって起こること

    前歯に隙間ができる

    永久歯の前歯の歯と歯の間に入り込んだ上唇小帯が、前歯に隙間を作ってしまいます。前歯がすきっ歯の状態になり歯並びを悪くします。全ての上唇小帯がそのようになるのではなく太く残っていても隙間を作らない場合もあります。

    歯茎が腫れやすい

    上唇小帯があることによって歯と歯茎の間に隙間ができ、細菌がたまります。歯茎が赤くなり、特に風邪をひいたり、熱を出した時など腫れることがあります。

    歯磨きがしにくい

    特に低年齢のお子さんは上唇小帯がやわらかいために、歯ブラシが当たると痛がって、仕上げ磨きを嫌がってしまいます。

    上唇小帯切除の時間、費用、痛みについて

    【切除の時間】10分程度です。
    上唇小帯切除は表面麻酔と少量の部分麻酔をし、メスやレーザーで太くて長い上唇小帯を切って取り除きます。

    【費用】健康保険3割負担の方で3,000円程度です。
    基本的には健康保険が適用されますが、健康保険で行っていない歯医者もありますので歯医者で確認してください。

    【痛み】ほとんどありません。
    痛みはほとんどありませんが、心配な方は痛み止めが処方されますので、麻酔が切れる前にのんでおくと安心です。

    上唇小帯切除の時期

    前歯の永久歯が出てくる7歳前後に切除する

    上唇小帯は年齢とともに顎が成長し、細く短くなってきます。また、自然に切れてしまうことも多いので、乳歯の時期に切除することはほとんどありません。前歯の永久歯が出始めても、上唇小帯が太いままだと、永久歯の萌出(ほうしゅつ)を邪魔したり、永久歯の前歯の歯と歯の間に隙間を作ったりするようであれば切除したほうがいいです。この時期に切除することによって自然に歯並びが改善することがあります。

    切除しないという判断もある

    歯並びを気にしないのであれば切除しないという判断もあります。上唇小帯が太くてもすべての人が歯並びが悪くなるわけではありませんし、子供を押さえつけてまで行う処置でもありません。ただし、いいタイミングで切除したほうが舌や歯並びにとってはいいし、治りも早いのです。

    舌小帯とは

    舌小帯(ぜつしょうたい)とは、舌の裏と下の前歯の後ろをつないでいる「すじ」のことです。この筋が短いことによって障害を起こすことを舌小帯短縮症(ぜつしょうたいたんしゅくしょう)と呼びます。乳児期には授乳障害、4歳過ぎぐらいから歯並びや発音に影響が出てくることがあります。トレーニングによって伸ばす方法もありますが、歯並びに大きな影響が出る場合は切除する場合もあります。

    舌小帯短縮症 ハート型舌

    舌小帯短い 舌小帯・上唇小帯

    舌小帯・上唇小帯の異常による影響について

    出っ歯になりやすい

    舌の位置は普通、上顎に接しています。舌小帯が短いことによって舌が上に持ち上げられず、舌の位置が低くなり前歯を押してしまい出っ歯になりやすくなります。
    上顎は舌が押し付けられることによって広がります。そのため上顎と舌の大きさはほぼ同じです。舌が上顎に着けられないことによって上顎は狭くなり、歯並びが悪くなります。

    奥歯が内側に倒れることが多い

    また舌を前に出すと頬が内側に入ります。その力で奥歯の並びが崩れやすいです。
    そのため歯が入りきれないでジグザグする事が多いです。
    顎が小さいと診断され抜歯矯正を勧められることもあります。それが原因で睡眠時無呼吸症候群を起こすこともあります。小帯の異常を改善すれば抜歯は不要なケースが多いです。

    舌足らずの話し方になる

    舌小帯が短いと舌を上顎に付ける発音が難しく、「サ行とラ行」の発音がしにくくなります。

    食事を食べるのが遅い

    舌が上方に上がらないので嚥下機能が低下します。症状はむせやすかったり嘔吐しやすいことがあります。

    嚥下機能に障害が出るので、食事の時間が長くかかります。そこを叱られるとあまり咬まずに食べたり量を少なくして(残す)時間を調整するようになります。

    舌小帯切除の時期、時間、費用、痛みのついて

    【時期】5歳前後です。
    小学校に上がる前の春休みが最適です。特に重症な場合はそれより早期に行いますが子どもが動くと手術が少し困難になります。

    【切除の時間】20分程度です。
    舌小帯切除は表面麻酔と少量の部分麻酔をし、メスやレーザーで太い長い小帯を切って取り除きます。

    【費用】健康保険3割負担の方で3,000円程度です。
    基本的には健康保険が適用されますが、健康保険で行っていない歯医者もありますので歯医者で確認してください。

    【痛み】ほとんどありません。
    痛みはほとんどありませんが、心配な方は痛み止めが処方されますので、麻酔が切れる前にのんでおくと安心です。

    舌小帯短縮症そのままで、切除せず伸ばす方法

    口腔筋機能療法MFT(Myofunctional therapy)とは、舌や口の周りの筋肉を正しく使えるように練習することです。舌小帯が短い方は正しい舌の位置を確保したり、正しい飲み込みが出来ないため、トレーニングをしながら舌小帯を伸ばしていきます。歯医者では矯正治療の一部として行っているところが多いようです。
    舌小帯短縮症そのままでは効果は出にくいでしょう。

    • 上顎に舌全体を吸いつける
    • 吸いつけたまま口を開けたり閉めたりする
    • 舌全体を上顎に吸い上げ「ポン」と音を出す

    睡眠時無呼吸症候群との関係

    睡眠時無呼吸症候群は舌の後退により気道を圧迫すると起こりやすくなります。
    舌小帯が短いと低位舌となりやすすく、また動きが制限されますがそれでも動かそうと頑張りますので舌の肥大を起こしやすい傾向があります。そうなると気道を圧迫しやすく睡眠時無呼吸症候群を起こす要因となります。
    舌癖が有ると歯列の狭窄を起こしやすく顎が狭いと診断され、抜歯矯正を薦められることもあります。
    抜歯すると歯列は狭くなり舌の収まる容積は小さくなります。収まらない舌は後退して気道を圧迫します。
    抜歯矯正後に睡眠時無呼吸症候群を起こした方は、再度矯正し歯列の拡大を行う事もあります。

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