小児歯科専門

小児歯科 矯正|子どもの歯並びと治療方法

    投稿日:2000年11月17日 | 最終更新日:2022年3月17日

    小児歯科 矯正|子どもの歯並びと治療方法

    歯並びを動かすのではなく、歯並びが悪くなる原因を治療する矯正治療です。
    矯正装置を夜間に装着することと、通院での経過観察・ご家庭のトレーニングを合わせて行います。 口腔習癖(口呼吸・舌の悪い癖・飲み込みの悪い癖などの日常生活でのクセ)を改善し、アゴを正常に発育・成長させて綺麗な歯並びにします。 また、歯並びを悪くする原因を取り除くので矯正治療後も後戻りもしにくくなります。成人矯正の治療後は歯並びが元に戻らないように毎晩装置をつけて生活している方が多くいます。
    子ども時代に早めに治療を開始することにより、大人になってスペースが不足して抜歯矯正にされる可能性が下がります。
    このページでは症例ごとの当院での対応方法を紹介します。小児期には口腔周囲筋や舌などの筋肉系を整える事が大切です、専門の当院へ御相談下さい。

    お子さんの歯、今はキレイだから大丈夫と思っていません?実は、歯は数グラムの力を加えられ続けると徐々に動いていきます。
    舌や唇、手などで歯を押すクセがある生活を続けていると歯並びが乱れる可能性があります。こどもマウスピース矯正は、5~8歳の間に開始されると効果が発揮しやすいと言われています。
    なぜならお子様の顎の発達を利用しながら歯を並べていくことができるからです。
    成人矯正のように顎が発達しきってから行う矯正では、どうしても歯を並べるスペースを作る為に歯を抜くケースが出てきてしまいます。
    また、成人矯正は矯正治療が終わってからも元の位置に歯が戻ろうとしてしまいます。なぜなら治療によって、悪習癖を改善できていないからなのです。
    「矯正歯科治療は永久歯に生え変わらないと始められない。」と思っている親御さんがいらっしゃいますが、1期治療にはたくさんのメリットがあります。
    特に成長を利用できるのが1期治療の最大のメリットです。

    まだ生えていない永久歯が、変な位置に生えてきてしまうことはよくあります。(レントゲンを撮らないとわからない問題点です)
    変な方向に生えそうな永久歯は、乳歯をタイミングよく抜歯することで、良い位置に誘導することができます。

    叢生(らんぐい、デコボコ)

    小児叢生

    歯並びの問題で一番多いのがこの叢生です。歯が「おしくらまんじゅう」状態になってデコボコになってしまう歯並びです。原因としては、歯の大きさに対してお口のアゴの骨が狭いために起こることがほとんどです。まれに、歯が大きすぎる場合もありますが、この場合は永久歯のIPRが必要です。

    歯の叢生

    治療開始時期

    4歳から:アゴが狭い傾向にあるかは3歳程度からわかりますが、永久歯の大きさを正確に予測するためには1本以上の永久歯の大きさを直接計測する必要があります。その計測値をもとに全て永久歯の大きさを予測し、その永久歯がきれいに並ぶアゴの大きさを算出し、自然の成長量を見越して、アゴを何mm程度広げる必要があるが予測します。

    矯正装置

    プレート型装置(拡大床)など:アゴの骨を広げるためにマウスピース型の装置を日中2時間と就寝時に装着します。

    小児マウスピース矯正

    治療期間

    1.8~2年間

    上顎前突(出っ歯)

    日本人に叢生についで多いのが上顎前突出です。実際には上顎(上アゴ)が前に突出しているケースより、下のアゴの成長が十分でなかったり、上の歯が前に傾斜しているケースが多いとされています。上顎前突は、3歳以上の指しゃぶりや口呼吸などが原因のこともあります。この場合は、歯や咬み合わせの治療と平行して、原因となっている「癖」の除去訓練も必要です。また、上の歯が前に出ているため、唇が閉じにくく、口呼吸になりやすかったり、安静時の舌の位置が悪いため、頭位がずれて「猫背」なりやすいといわれています。

    上顎前突

    上顎前突

    治療開始時期

    3歳から:指しゃぶりなどの「癖」が原因の場合は3歳以降から、「習癖」の除去を始めます。具体的な原因がない場合は、4歳くらいから治療を開始します。

    矯正装置

    「習癖」がある場合は、まずご家庭と協力して自然にやめることを促します。「習癖」の除去のためのマウスピース型装置を雌黄します。装置を入れると半年程度で改善する事が多いです。。骨格的に上アゴと下アゴの前後バランスに問題がある場合は、夜寝ている間にマウスピース型装置を使用します。また、上の歯が前に倒れているケースでは前歯にワイヤーのついたプレート型装置を使用することもあります。

    治療期間

    1.8~2年間

    開咬

    奥歯はしっかり噛んでいるのに前歯が開いてしまっている状態です。指しゃぶりや舌の位置異常が原因の場合があります。前歯でものが噛めないので「食べるのが遅い」「硬いものが苦手」になってしまいます。

    開咬

    開咬

    治療開始時期

    3歳から:指しゃぶりや舌の位置異常などはっきりした原因がある場合は、その原因の除去を3歳から始めます。その他の場合は6~8歳くらいからプレート装置やブラケット装置を使用します。ごく稀ですが、遺伝性の骨格不正によるものは、外科矯正が必要な場合もあります。

    矯正装置

    舌フェンス(タング&フィンガーフェンス)、ブラケット装置

    治療期間

    1~2年

    前歯の交叉咬合

    前歯の1~2本が逆になっていると、下アゴが左右へずれてしまったり、噛むたびに不適切な力が歯や顎関節にかかり、痛めてしまうことがあります。そのため、歯や顎関節を守るために、できるだけ早く治療した方がいいとされています。ほとんどの原因は、アゴが狭く、上の前歯が「おしくらまんじゅう」で中に押し込まれることです。

    交叉咬合

    治療開始時期

    3歳から:乳歯・永久歯に関わらず、一部逆噛みになっている前歯がある場合は、すぐに治療が必要です。

    矯正装置

    主にリンガルアーチ装置を使用しますが、アゴが狭いことが原因の場合は、「叢生」と同様の治療が必要になります。

    治療期間

    0.5~1.5年間

    笑顔の受付

    治療期間について

    あくまで目安です。治療開始のタイミングは、歯並びの問題の重傷度や子供の成長発育状態やその他の要因によって変わります。また、歯科医院に相談する場合、「遅すぎる」ことはあっても「早すぎる」ことはありません。できるだけ早めに相談しましょう。また、お子さまの年齢がすでに治療開始時期を過ぎている場合でも治療効果が期待できることが多くあります。
    1期治療では治療期間は1.8~2.5年前後、1~2か月に1回の通院となります。上下のあごのバランスを整えたり、悪い習癖を除去したり、歯列を広げて歯がならぶスペースを作ったりすることが主な目的です。
    1期治療の目的がある程度達成されたら、経過観察に切り替えます。この場合は1~3ヶ月に1回の通院になります。
    2期治療では治療期間が2年前後、1か月に1回の通院となります。インビザラインによるマウスピース矯正装置を用いて永久歯の歯ならびやかみ合わせをしっかりと作り上げます。歯を抜いてならべるのもこの時期に行います。
    下顎前突(受け口)や上顎前突(出っ歯)、あごの曲りなどの場合、歯の問題だけではなく、骨格的な問題が関係している場合が多くなります。その場合には、お顔つきにも影響が出てきます。一期治療では、骨格的に上下のあごのバランスが悪い場合でも、成長を促してバランスを整えることができます。成長期の治療ではこれが一番大きなメリットです。

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