インプラント専門医

インプラント治療とメインテナンスの重要性

    投稿日:2022年2月19日 | 最終更新日:2023年8月30日

    インプラント治療とメインテナンス

    インプラントの構造

    インプラントの寿命とメンテナンスの関係

    どんな長生きの人にも寿命があるように、歯の治療に使われるインプラント・ブリッジ・入れ歯にもそれぞれ寿命があります。特に、顎の骨に直接埋め込むインプラントは、使っている本人でも状態が分かりにくいことから、寿命が気になるという方は多いことでしょう。

    せっかく埋め込んだインプラントをトラブルなく、長く使い続けるためには、地道なメンテナンスなくしてはありえません。インプラントの寿命を延ばすためには、どのようなメンテナンスが必要なのか、また、メンテナンスの重要性や方法、費用などについてご紹介します。

    インプラントのメンテナンスが必要な理由

    インプラントの最大のメリットといえば、しっかりと噛むことができる機能性です。義歯やブリッジのように周囲の歯に頼らずに、埋め込んだインプラントと骨をしっかり結合させることで、まるで自分の歯のように自然な噛み心地が得られます。

    しかし、インプラントは素材のチタンの値段が高額なうえ、健康保険が適用されない自由診療のため、治療にかかる費用は決して安いとはいえません。そのため、埋入後のインプラントを長持ちさせるためは、自分の歯と同様に正しいメンテナンスが必要なのです。

    インプラントの寿命を延ばすためには

    インプラントはメンテナンスを怠ると、清掃が行き届かなくなるため周囲に歯垢(プラーク)が溜まりやすくなり、その中でさまざまな細菌が増殖します。そして、インプラントの周囲組織が細菌に感染する「インプラント周囲炎」を引き起こすのです。

    インプラント周囲炎の症状が進んで、インプラントを支える歯槽骨が破壊されると、歯肉の退縮や人工歯根の露出が始まり、最悪の場合はインプラントの脱落につながることから、インプラントの寿命を延ばすためには、インプラント周囲炎を防ぐことが必要不可欠だといえます。


    プロフェッショナルケア
    歯磨き指導(TBI)によるセルフケアのサポート

    ンプラントは天然歯のような虫歯の心配は必要ありませんが、歯周病と似た症状がみられるインプラント周囲炎への対策が必要となります。特に、インプラントは、歯に歯茎がくっ付いている状態の天然歯に比べて、人工歯と歯茎間に隙間があきやすく、そこに汚れがたまってしまうことから、天然歯以上にしっかりとプラークコントロールを行う必要があります。

    そこで、毎日のブラッシングが大変重要となるのですが、歯磨きはご本人が思っている以上に自己流になりやすいため、自分ではしっかりと磨いているつもりでも、実は細かい部分まで磨けていないことがあります。

    院では、常に正しいブラッシングを行っていただくために、患者様ご自身によるセルフケアと並行して、歯科衛生士による歯磨き指導を行っています。

    専門的な知識を身に付けた衛生士が、歯ブラシが届きにくい部分や汚れがたまりやすい部分を定期的にチェックして、効果的に歯を磨く方法をご指導します。
    毎日のセルフケアで口内を清潔に保つことで、インプラントの寿命が短くなるリスクを抑えられます。

    トラブルを未然に防ぐメンテナンス

    ンプラントには、生体親和性が高いチタンが素材として使われていることから、埋入後、徐々に周囲の骨と結合していきます。しかし、その過程で硬い食べ物を噛んだり、無意識に食いしばったりして無理な力をかけてしまうと、インプラントがしっかりと結合できず、グラつきや脱落につながるのです。

    また、インプラントと歯の結合を妨げるインプラント周囲炎は、初期の段階では自覚症状がなく、患者様ご自身が気づきにくいため、歯科医院でしっかりとチェックする必要があります。そのため、埋入したインプラントに異常がないかを確認するために、当院では、インプラントのメンテナンスのために定期検診を行います。

    ンテナンスでは、主に次のようなポイントについてチェックします。

    メンテナンスの主な内容

    • インプラント周囲炎の症状の有無
    • 噛み合わせ
    • インプラントの動揺度
    • 歯周ポケットの深さ

    ンプラントのメンテナンスは、3ヶ月から半年に一度程度を目安にして行います。メンテナンスをするのとしないのでは、インプラントの寿命が格段に違ってくるため、メンテナンスは長くインプラントをお使いいただくために欠かせない術後のケアだといえます。

    メンテナンスの流れ

    インプラントのメンテナンスの頻度は個人差がありますが、一般的に1ヶ月に1度程度、状態が安定すれば年に3~4回を目安に行います。
    歯科医院で行われるメンテナンスは、主に以下のような手順で行われます。

    お口の中の状態のチェック

    口腔内の清掃状態のほか、歯肉の腫れや炎症、インプラントの動揺などの、インプラント周囲炎に見られる症状の有無の確認を行います。さらに、インプラントと人工歯の連結の不具合や破損について、目視でチェックします。

    噛み合わせの確認

    患者様に咬合紙(こうごうし)と呼ばれる、青や赤の色のついたカーボン紙をカチカチ噛んでいただき、噛み合わせのバランスをチェックします。力が強く加わっている箇所が見つかった場合は、人工歯を削って調整を行います。

    レントゲンによる診査

    レントゲン撮影を行い、インプラントと周囲の骨の状態から、歯槽骨の炎症や骨吸収などの確認を行います。その際、「歯石の蓄積がないか」「虫歯が進行していないか」など、周囲の歯も合わせてチェックします。
    また、上顎の奥歯にインプラントを埋入した場合は、上顎洞炎を確認するために、鼻の両側にある上顎洞という骨の空洞で炎症が起きていないか確認します。

    ブラッシング指導

    お口の中の状態をチェックした際、特に汚れがひどかった部分を中心に、効果的な歯の磨き方を指導します。特に、歯ブラシでは完全に汚れを落とすことは難しいため、歯間ブラシやデンタルフロス、ワンタフトブラシなどの、補助的な清掃用具の使い方を身に付けることが大切です。

    PMTCなどのクリーニング

    PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)とはその名の通り、歯科医師や歯科衛生士などのプロフェッショナルによる歯のクリーニングです。歯磨きでは落とし切れない歯の表面や、歯と歯肉の境目の歯垢を落とします。さらに、汚れがひどい場合は、人工歯を外してクリーニングを行うこともあります。

    自宅で行うセルフメンテナンス

    インプラントのメンテナンスは、歯科医院で行うものだけではありません。インプラント周囲炎の発症リスクを低減するために欠かすことができないのが、毎日のセルフメンテナンスです。インプラントメンテナンスに限ったことではありませんが、セルフケアは予防の基本であるため、インプラントを長く機能させ、お口の健康を守っていくために大変重要となります。

    当院では、ブラッシング指導を行い、正しい歯の磨き方を習得いただき、セルフケアの質を高めるサポートを行っていきます。より良いインプラント治療を心がけることはもちろん、インプラントを長くお使いいただくことも大切だと考えています。

    メンテナンスを始めましょう!

     歯を失う原因は95%が虫歯か歯周疾患です。一生自分の歯をできるだけ長持ちさせたいという気持ちがあるなら、予防という治療をスタートしましょう。
    それが定期的なメンテナンスです。歯ブラシによる毎日のブラッシングのみでは歯の汚れは落とせますが、バイオフィリムは除去出来ませんので予防不可能な症例が多いです。治療後のアフターケアを定期的に受ける事はとても大切です。
    インプラントも天然歯と同じく歯周病のような病態「インプラント周囲炎」にかかります。そうなると骨がとけてせっかく植えたインプラントが抜け落ちることもあります。インプラントにも定期メインテナンスによるチェックを受ける事がとても重要です。メインテナンスは歯周病専門医に御相談下さい。
    メンテナンスでは検査が大切です。検査により患者さんの高いリスク情報を適切に把握することで、予防計画を作ることが可能になるからです。
    リスク状態を知らずして予防は不可能です。定期検診で早期発見、早期治療を目指すのではなく、病気を未然に防ぐことがメンテナンスの大きな目的なのです。

    インプラントの歯科医院でのメンテナンスについて

    インプラントをいれた後は、たとえインプラントの使用感に違和感などがなくても、定期検診を受けるようにしましょう。定期検診では主に以下のようなことを行います。

    ■口内チェック

    インプラントを長く使い続けるためには、インプラントだけでなく、口の中全体を清潔に保つことが大切になります。たとえば、残っている歯にむし歯がないかどうか・歯周病がないかどうかなどです。また、被せ物や詰め物の状態もあわせてチェックを行います。

    ■レントゲン検査

    また、インプラントを適切に使い続けるためには、インプラントを支える顎の骨や、残っている歯の根元の状態も継続的に検査していく必要があります。こうした部分はレントゲンによって検査していくことになります。

    ■ブラッシング指導

    またインプラントを長く使い続けるためには、日常的にも丁寧なブラッシングを心がける必要がありますが、歯の磨き方にも一人一人クセがあり、あまり磨けていない箇所がある場合が少なくありません。それぞれの人にとって磨き残しやすい部位をチェックし、適切な磨き方および清掃器具についてフィードバックを受け、それを日常のブラッシングに活かしていくことが大切です。

    ■クリーニング

    また、どれほど丁寧な歯磨きを心がけていたとしても、歯科医院で用いるような専用の器具や薬剤なしでは行えないケアというものもあります。こうした特別なクリーニングを行うことも定期検診の大事な役割です。自分自身で行う日々のブラッシングでは除去できない汚れを定期的に取り除くことにより、口内の環境を健康的な状態に保つことができるのです

    虫歯と歯周病

    理事長

     

    この歯を失う原因の95%が虫歯や歯周病です。
    この2大疾患である虫歯、歯周病はともに細菌による感染症であることがわかっています。汚れた状態では歯肉に炎症が起きます。
    つまり、この細菌による感染を防ぐこともしくは、遅らせることができれば、この病気が発症せずに一生暮らすことができます。
    しかし、口腔内から細菌を完全に除去するのは現在の医学では不可能です。つまり完治させるのが非常に困難な病気でもあるのです。
    そこで、持続的に口腔内のクリーニングを行うことにより口腔内の細菌量を減少させて、虫歯や歯周病が発症するのを予防することが重要な方法となります。
    インプラントは虫歯にはなりませんが、歯周病(周囲炎)にはなりますので予防の基本メニューは同じです。
    また人工の被せ物には寿命があります。大きなトラブルになる前に再治療が必要です。

    笑顔の高齢者

    入れ歯にならないためにはどうすればいいの?

    図:年代ごとに残っている歯の本数

    まず、ご自分のお口のリスク(虫歯や歯周病のなりやすさ)を知ることが大切です。その上で、定期的にお口のケア(メンテナンス)を行うことで、健康な歯を維持していくことが可能です。右の図からもわかるように、メンテナンスを定期的に受診された患者様と受診されてない患者様では、高齢になるほど、残存歯数で大きな差が認められます。
    後日通院困難になられた場合は、訪問診療によるメインテナンスも対応可能です。定期的な期間でのメインテンスを受ける事を習慣としましょう。
    ご自分で磨きにくい所は、歯科衛生士が確認しPMTCにて指導・サポートします。

    歯のブラッシング

    ブリッジとインプラントのメリット・デメリット

    メインテナンスに関して、上手に手術・補綴されたインプラントはブリッジよりメインテナンスしやすい事がメリットです。
    ブリッジのように歯を削るデメリットもありません。歯を削ると虫歯が進行するリスクもあります。

    予約

    医療費控除の対象となります。詳しくは税務署にお問い合わせ下さい。
    インプラント治療の料金表は別のページにあります。
    スマイルライン歯科・矯正歯科 インプラントクリニック博多

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