ソケットリフト法の治療の流れ
ソケットリフト
ソケットリフトは、歯の生えていた方向から、サイナスリフトは、側面の歯ぐきからアプローチしていきます。
インプラントは、埋入したときにしっかりと骨で固定されていることが大原則です。ソケットリフトは、しっかりとインプラントが固定できるだけの骨の厚み(最低3~5mm)が原則必要です。
ソケットリフトの良い点は、骨の移植と同時にインプラントを入れることができますので、はじめに骨移植のみをするような2回法の場合よりも、歯が入るまでの期間が短いです。また体への侵襲度(体への負担)もサイナスリフトと比べると少なくできますので腫れや痛みがほとんどありません。
ソケットリフト
歯槽骨にドリルで穴を開けます。1mmの歯槽骨残した状態で、穴を掘るのを止めます。
ソケットリフト
この穴から歯槽骨と上顎洞粘膜を持ち上げます。穴をあけ持ち上げるのでソケットリフトと呼びます。そこに人工骨を入れ、次にインプラントのフィクスチャー(ネジ部)を埋入します。
ソケットリフト
ネジ部だけ入れた状態で6ヶ月以上待って人工の歯を入れていきます。サイナスリフトよりも体への侵襲度(体へのダメージ)が少ないのでその分、腫れも痛みもほとんどありません。できればソケットリフトを選びたいところですが、歯槽骨が極端に(3mm以下)少ない場合は、サイナスリフトを選択します。
インプラントを埋入する位置に穴を開け、ピエゾサージェリーを使用して骨を取り除き、シュナイダー膜(上顎洞と歯槽骨の間にある粘膜)を露出させます。
CGFと骨補填材とインプラントを埋入
ピエゾサージェリーで骨を取り除いた穴に、CGF(完全自己血液由来のフィブリンゲル)と骨補填材とインプラントを埋入します。
CGFによって骨再生が誘導されインプラントが早期に安定します。
※骨の状態によっては、インプラントの埋入は後日、骨ができあがってからとなることもあります。
上顎のインプラント治療では骨の量が少ない場合が多く、上顎洞の粘膜を押し上げて埋入手術する方法が良く用いられます。その際、上顎洞粘膜に至る最後の骨を除去する方法として「オステオトームテクニック」というものがあります。
この、「オステオトームテクニック」とはオステオトームという先が細くなった器具を介してマレット(金槌のようなもの)で槌打し骨折させるものです。
実際、槌打することには以下のような問題点があります。
骨を叩いて治療をする問題点
- 槌打により頭蓋骨に振動を与え、めまいや精神的ストレスをきたす恐れがある
- 過度の槌打により上顎洞粘膜を損傷し、それによる穿孔によって鼻腔に感染が及ぶ
- 過度の槌打による影響でインプラント周囲の骨組織にダメージが残り、結合しない恐れがある
これらの諸問題を解決する画期的な医療器具が「ピエゾーサージェリー」です。大きな特徴は、上顎洞粘膜を損傷しにくい先の丸いチップを介して特殊な微細振動を骨に与えることにより骨だけを除去し粘膜などの軟組織を傷つけないという点です。
その結果、
ピエゾ―サージェリーで治療した場合の利点
- 頭蓋骨や脳への不快な振動を与えない
- 上顎洞粘膜を損傷せず、余計な鼻腔への感染リスクが減る
- 手術時間が短くなる
などの利点が生まれます。なお、当院ではこの「ピエゾサージェリー」の使用による治療費の増額はありません。