投稿日:2022年3月10日 | 最終更新日:2022年3月11日

舌小帯短縮症とは? 福岡・博多の歯医者

舌小帯とは、舌の裏側についているヒダ(ひも状になっている場合もあります)のことをいいます。このヒダが生まれつき短かったり、ヒダが舌の先端に近いところについていることがあり、このような状態を舌小帯短縮症といいます。舌を前に突き出すと、舌の先端にくびれができ、ハート型の舌になります。舌小帯短縮症にはいろいろな呼び方があり、舌強直症、舌小帯癒着症、舌癒着症などといわれることもあります。

舌小帯短い→→→舌小帯手術後

舌小帯の短縮の程度は舌の先をどの程度あげられるかによって、軽度・中等度・重度に分けられます。簡単な判定方法をご紹介します。「お口を大きく開け、舌の先を上あごにつけてください」と言います。お口の大きさ(たての長さ)の1/2以上あげられたら、「軽度」です。1/2以下しかあがらない場合は、「中等度」です。舌を上にあげようとしても下顎の歯よりもあがらないか、全くあげられない場合は「重度」と判定します。

「軽度」では、舌小帯が細い紐のように見えますが、舌先を上あごにつけたり、口の横につけたりすることは自由にできます。ラ行を思い切り速く言おうとすると舌がもつれる感じがありますが、日常生活での障害はほとんどみられません。

「中等度」では、舌を前に出したときに先がハート型にくびれます。舌小帯もしっかりした白い紐のように見えたり、ヒダに見えたり、膜のように見えます。舌先を上あごにつけようとしてもつけられず、口の開き方を小さくすれば、なんとか上あごにつけられるという状態です。また、口の横に舌の先をつけることができませんし、くちびるをゆっくりなめることも苦手です。発音では、ラ行がダ行に近く聞こえたり、速く言おうとすると舌がもつれることがあります。くちびるについた食べものを舌でなめることができなかったり、ソフトクリームをなめられないと話される方もいらっしゃいます。

「重度」では、舌を前に出そうとしても下くちびるぎりぎりくらいまでしか出せず、舌を上にあげることができないので、舌小帯が舌の裏に隠れて、よく見えない場合もあります。

このように、舌小帯短縮の程度が軽度の場合は、発音や摂食嚥下機能に問題があることは少ないので、あまり治療の対象となりません。中等度や重度の場合は、「哺乳が上手にできない」、「話すときに舌がもつれる」、「硬いものが上手に食べれない」といった、哺乳障害、発音障害、摂食・嚥下障害が認められることが多く、治療によって改善することが多いといえます。

2.どのような発音障害なの?

受診される方の多くは、
  「かつぜつがわるい」
  「早口ことばが言えない」
  「長い間話をすると舌が疲れる」
  「速く話をすると舌がもつれる」 のような症状を訴えられます。

舌小帯短縮症による発音障害は軽度のことがほとんどですが、舌の運動制限があるために話しづらさを感じている方が多くいらっしゃいます。

具体的な症状の特徴としては、
・ タ行音やサ行音を発音するときに、舌を上下の前歯の間に挟んで発音する歯間音化
・ ラ行音が歪む
・ ラ行音がつづく単語や速い会話だと発音が不明瞭になる
・ 口をあまり開けずに小さな声で話す 
などの発音障害が認められることがあります。

3.治療法は?

舌小帯短縮症に対する治療には、手術と機能訓練があります。舌小帯短縮の程度が軽度の場合は、舌を上手に動かすトレーニング(機能訓練)を行うだけで症状が軽減される場合もあります。トレーニングだけでは舌の動きを改善するのが難しいと判断された場合には、舌小帯のヒダを切る手術(舌小帯伸展術)を行います。術後は、瘢痕収縮の防止や、動きやすくなった舌を上手に使いこなせるようにするために、機能訓練を行います。

4.治療に関するQ&A

手術は何歳くらいからできるの?哺乳障害がある場合などでは新生児から行うこともあります。
舌小帯の短縮の程度や、機能障害の程度により手術の時期を決定します。

手術をするのに入院は必要なの?通常は外来で処置を行いますが、局所麻酔での処置が難しい場合には入院が必要になることもあります。

手術の時には全身麻酔をするの?通常は舌に局所麻酔をするのみです。ただし、低年齢のため局所麻酔時に動いてしまう場合には全身麻酔による手術を検討することもあります。また新生児では、麻酔をせずに舌小帯を切る処置のみを行う(糸で縫う処置を行わない)場合もあります。患者さんの状態に応じて、適切な方法を決定します。

手術中や術後は、痛みがあるの?局所麻酔時に多少痛みますが、術中の痛みはありません。麻酔が切れると痛みが出ることもありますが、手術の次の日には痛みが引くことがほとんどです。痛み止めを処方いたしますのでご安心下さい。

手術した日はご飯を食べることができるの?痛みの状態にもよりますが、麻酔がきれれば、食事をしていただくことは可能です。やわらかめのものを召し上がっていただくとよいかと思います。

手術は自費ですか?保険はききますか?手術に関しては保険が適応されます。手術前後の舌の機能訓練は自費となります。

 

舌の機能訓練はどのくらい行うの?手術後の抜糸をした後くらいから、舌を動かす訓練を行います。舌運動の状態や、発音障害の程度にもよりますが、だいたい1ヶ月に1~2回、術後3ヶ月間ぐらいトレーニングをします。

舌小帯とは舌の下面から下顎の歯肉の内側に連続している索状のひだの事を言います。舌小帯の異常は舌小帯強直症が主であり、舌小帯の短縮、あるいは小帯(ひだ)が舌尖から下顎の舌側の歯槽部歯肉まで接近して付着している場合をいい、舌小帯短縮症あるいは、舌癒着症などと言われます。その程度はさまざまで、多くの場合、小帯によって舌尖部が、下顎の舌側歯槽基底部の歯肉の辺に固定された状態で見られます。
本症は先天性と後天性に分けられ、後天性は舌から口唇における手術や外傷などの原因で、舌の運動が妨げられてしまう事があります。一方、本症が先天性に起こる場合の原因については、胎生早期における舌発育過程の残遺像として考えられていますが、さらに出生後における舌の発育と舌小帯の退縮との不調和が加わって成立するものと考えられています。
舌小帯短縮症の程度の分類 (1)として、十分に口を開けた状態(最大開口)で、上顎の前歯の裏に舌尖部を接触させた時に、舌尖の拳上量が最大開口量の2分の1以上の場合を軽度としています。それに加え、最大開口量の2分の1から、咬合平面(かみ合わせの面)までの位置に達する場合を中等度、さらに、重度の場合は、咬合平面まで達していない場合としています。重度の場合には、その特徴的な所見として、舌を前方に突出させた時に舌尖部がハート状にくびれます。この舌小帯短縮症の機能障害としては、哺乳障害や構音障害などがあげられます。すなわち、乳幼児期には哺乳障害をはじめ下顎切歯による舌下面の潰瘍形成を起こすことがあります。
また、食べるのが遅く咀嚼・嚥下障害をきたすこともあります。歯並びにも影響することがあり、下顎正中の歯間離開を起こすことがあります。発音の問題としては、舌尖部の硬口蓋および歯肉への接触不十分によるサ行・タ行・ラ行音、そして英語の歯茎音に対する構音障害(いわゆる舌足らず)をきたすことがあります。こうした障害が認められた場合には、外科的治療が適応となる場合があります。外科的治療法は 一般的には舌小帯に横切開を加え、舌小帯を切離して菱形となった切開創の舌下面と口腔底の部分を縫合する(舌小帯切断伸展術)ことによって舌運動制限を解除する方法があります。またV-Y形成術やZ形成術を行うことにより、舌の伸展をはかる方法もあります。

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