歯科健診の義務化と労働安全衛生法の詳細解説
歯科事業所健診|労働安全衛生法とは何か?
歯科健診のつの義務化とは労働安全衛生法改正や国民皆歯科健診についても解説
労働安全衛生法(以下、安衛法)は、労働者の健康と安全を保護するための法律です。この法律により、事業者は労働者に対して定期的な健康診断を実施する義務があります。特に、危険または有害な条件下で働く労働者に対しては、特別な健康診断が必要とされています。
歯科特殊健診の義務化
2022年10月に施行された安衛法の改正により、特定の「有害な業務」に従事する労働者に対して、歯科医師による特別な健康診断(歯科特殊健診)が義務付けられました。この健康診断は、労働者の口腔健康を保護するために非常に重要です。

「有害な業務」とは?
「有害な業務」とは、労働安全衛生法施行令第22条第3項および労働安全衛生規則第48条により、以下のように定義されています。
- 塩酸、硝酸、硫酸、亜硫酸、フッ化水素、黄りんなど、歯やその支持組織に有害な物質のガス、蒸気、または粉じんを発生させる業務。
これに該当する業種としては、化学工業、窯業、土石製品製造業、非金属製造業、メッキ工場などがあります。
報告義務の変更
改正前は、50人以上の労働者を雇用する事業者のみが、歯科健診の実施状況を労働基準監督署に報告する義務がありました。しかし、改正により、事業規模に関係なく、すべての事業者が報告義務を負うことになりました。
歯科健診の実施時期
歯科健診は以下のタイミングで実施する必要があります。
- 新たに雇用する際
- 有害な業務に配置変更する際
- 有害な業務に従事してから6か月以内に1回
まとめ
安衛法の改正により、歯科健診の義務化が強化されました。特に、小規模な事業者でも報告義務が生じるため、法令遵守の観点からも、しっかりとした管理が求められます。歯科健診は労働者の口腔内の健康を保つために不可欠なものであり、事業者としてはその重要性を理解し、適切な対応を行う必要があります。
以上が、歯科健診の義務化と労働安全衛生法に関する詳細な解説です。この情報が、事業者様だけでなく、労働者様にも有用であると考えております。
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▼参考資料はコチラ
厚生労働省「労働安全衛生規則の一部を改正する省令案概要」
国民皆歯科健診は、文字通り国民全員に対し、毎年の歯科健診を義務付ける内容の制度として検討されています。
2025年の義務化を目指す「国民皆歯科健診」の目的
国民皆歯科健診制度の目的は、単に定期健診で早期の口腔ケアを行うだけではありません。
2019年度の国民医療費統計によると、歯科診療医療費は約3兆150億円で、国民医療費全体(約44兆3,895億円)の約6.8%を占めています。
国民皆歯科健診が充実すれば、最終的には一人あたりの生涯医療費を削減できる可能性があるのです。
政府は2022年4月にプロジェクトチームを立ち上げ、国民皆歯科健診の2025年導入を目指す姿勢を示しているため、今後再び法改正が実施される可能性があります。
事業所の歯科検診は義務ですか?
はい、事業所の歯科検診は労働基準法によって義務付けられています。
事業所歯科健診とは何ですか?
企業の従業員に対して実施される歯科健診のことです。健康状態を確認し、歯や口のトラブルを早期に発見・対応するための健康診断です。
歯科検診は会社で義務化される?
いいえ、歯科検診は一般的に会社で義務化されることはありません。ただし、一部の企業や業種では、従業員の健康管理や労働環境の向上を目的として、歯科検診を実施する場合もあります。具体的な義務化の有無や条件は、企業の規定や労働法によって異なる場合がありますので、自身の所属する会社の規定や労働条件を確認することをおすすめします。
歯科医師による健康診断は義務ですか?
はい、歯科医師による健康診断は義務です。