投稿日:2022年3月3日 | 最終更新日:2024年2月3日
出来るだけ抜歯をしない歯周病治療
その歯が残せるかどうかを診断するためには、レントゲンやCT上から歯槽骨の量を正しく診断できているかどうかが重要です。
歯を残せるにもかかわらず「抜歯」という診断がなされるケースは、残念ながら少なくありません。
抜歯の判断は、レントゲンやCT上から骨の量を正しく把握できるかどうかにかかっており、正確に診断するには歯周病に関する高度な専門性が欠かせないのです。
正確な診査・診断のもと科学的根拠に基づいた歯周病治療によって、歯を残せる可能性を最大限に追求します。歯周病の進行度合いによっては、歯を残すことが困難なケースもありますが、当院では安易に抜歯を選択することはありません。歯周病の症状に応じて、失われた歯周組織(歯茎や歯槽骨など)を再生する「リグロス」「GTR」、親知らずなどの歯を患部へ移植する「歯牙移植」「歯根分割術」といった手法を用いることで、歯を残す道を探っていきます。他院で「抜歯するしかない」と言われた方もあきらめず、当院までご相談ください。「本当にその歯は抜歯が必要なのか?」を正しく診断いたします。
歯周病とは、歯茎や歯を支える骨(歯槽骨)が壊される病気です。
治療せずに放っておくと歯がぐらつき、最悪の場合、抜け落ちてしまいます
歯周病は軽視されがちですが、非常に怖い病気です。
いわゆる全身疾患につながる可能性が非常に高く、放置することは非常に危険です。
そのような恐ろしい歯周病ですが、なんと30歳以上の日本人の約8割がかかっているという統計データもでております。
また歯周病はその病気自体の性質から、完治させることが非常に困難を極め、継続した専門的な治療・メインテナンスが必要です。
歯周病の症状
初期は歯肉の赤み・歯茎の腫れ・歯茎からの出血が出始めます。
病気が進むにつれて症状は変化していきますが、中期には口臭や歯肉のかゆみが出始め、唾液がネバつきます。
後期には歯が動き歯肉が異常なほど退縮し、歯が抜け落ちることもあります。
ほとんどの歯周病は急速に症状の進行が進むわけではなく、進行自体はゆっくりとしているため、ほとんどの方が歯周病であることに気付くことなく症状が進行してしまいます。
歯周病の特徴
歯周病の大きな特徴の一つとして、かなり病状が進行しても自覚するケースが少ないことが挙げられます。
歯が動いたり歯肉が異常に腫れたりしはじめて、歯周病に気付く方がほとんどです。
しかも上で述べたとおり、歯周病は30代以上の日本人の8割以上が疾患しているといわれています。
まさに細菌感染の映画のごとく、ゆっくりと魔の手は忍び寄ってきているのです。
健康な歯ぐき
歯は骨によって支えられています。骨は歯肉で覆われているので、見た目には歯と歯肉しか見えません。そして、歯と歯肉の間には溝(歯肉溝)があります。その深さはお口の中の健康を診るうえで、大変重要なものになってきます。健康な状態ならば、溝の深さは 3ミリ以内が目安となります。
この溝の深さ、骨の吸収(失われた量)、歯の動揺度検査によって歯周病の進行具合を診断していきます。
軽度歯周病(歯肉炎/軽度歯周炎)
[歯肉炎]
歯肉の色が赤くなり腫れてきます。歯磨きの時に歯肉から出血してきます。しかし痛みは伴わないので、気付きにくいです。歯を支えている骨は正常で溶けていません。歯肉炎がさらに進行すると軽度歯周炎になります。この時点での対応が大切です、進行すると治療方法が限られてきます。
[軽度歯周炎]
歯肉のみに止まらず、歯を支えている骨にまで炎症がある状態です。
歯肉の炎症は歯肉炎と同じで、腫れて赤くなり歯磨きのときに出血してきます。そして骨が若干溶けてきます。骨が溶けることによって歯と歯肉の境目の溝(歯周ポケット)の深さが深くなってきます。
中等度歯周病
軽度の歯周病の症状に加えてさらに、歯を支えている骨が半分くらい溶けていきます。少し歯がぐらぐらするようになり、歯が浮いたような感じがし、だんだんと硬いものが噛みにくくなってきます。
歯周ポケットはさらに深くなり、プラークによって歯肉が腫れているのでさらに深く細菌が進入していきます。そして歯根に歯石が付いてきます。こうなるとポケットの中まで歯ブラシの毛先が届かないし、歯肉からの出血や痛みを感じるのでさらに歯磨きができずより病気が進行していきます。歯と歯肉の境目からは膿が出でくるところもあります。
重度歯周病
重度歯周病になると、歯を支えている骨は三分の二以上が溶けて、歯周ポケットは非常に深くなり、歯がぐらぐらと動きだし物が食べにくくなります。
歯根に大量の歯石が付き、歯肉は下がり歯根が見えてきます。また歯肉は赤く腫れていて、歯と歯肉の境目からは膿がでてきます。
朝目覚めると口の中がねばねばし、血の味がしてくることもあります。口臭も強くなります。
一般の歯科医院では、重度歯周病と診断した場合、抜歯を勧めるケースがほとんどですが、再生療法などにより保存が可能な場合も多々ありますので、歯を抜いて後悔する前に是非一度ご相談下さい
虫歯で歯を抜くより歯周病で歯を抜くケースが年齢と共に多くなってきます。
部分入れ歯のツメを欠けた歯も、力のかかりすぎで歯を支える骨がとけ揺れてくることが多いです。