投稿日:2022年3月6日 | 最終更新日:2024年2月3日
歯周病専門医とは?について福岡市の歯医者が解説します
歯周病になってしまった場合には歯周病の治療が必要となります。歯周病にも軽度、重度など症状の重さに違いがあります。重度歯周病の場合には、より専門的な治療が必要となることが多く歯周病の専門医による診査・診断が勧められます。では歯周病専門医は一般的な歯科医となにが違うのでしょう?
歯科医の専門は歯の治療です。歯周病は歯の病気ではなく歯の周りの骨の病気です(歯周病)
医科で言うと、耳鼻科と眼科の違いでしょうか。似たような分野ですが、やはり鼻は耳鼻科、目は眼科です。全く解らないわけではないですが、多少専門的な内容になると専門外です。
やはり「餅は餅屋」、歯周病は歯周病専門医です。
歯周病認定医/専門医とは、予知性の高い歯科治療およびインプラント治療など、包括的歯科診療を患者様に提供するスペシャリストです。
歯周病について
歯周病とは歯周病を起こす細菌による細菌感染症と言われています。虫歯も細菌により起こりますが、歯周病は歯自体に影響を及ぼすのではなく歯の周囲の歯茎(歯肉)や骨(歯槽骨)などの歯周組織と言われる部分に問題が起こります。重度の歯周病になってしまいますと歯肉だけでなく歯槽骨へ歯周病が進行し歯槽骨が溶けてしまい歯が揺れたり歯と歯肉の間に深い溝(歯周ポケット)をつくってしまいます。深い歯周ポケットができてしまった重度の歯周病に対しては歯垢や歯石などの原因除去だけでは歯周病の状態の再発や悪化などの恐れがあるため歯周外科手術といういわゆる歯周病の環境改善のための手術が適応になることがあります。
日本歯周病学会歯周治療における専門的知識と技術を有する歯科医師を育成するとともに国民の口腔保健の増進に貢献することを目的として認定医、専門医、指導医等の資格を設けております。歯周病になってしまった場合には歯周病の治療が必要となります。歯周病にも軽度、重度など症状の重さに違いがあります。重度歯周病の場合には、より専門的な治療が必要となることが多く歯周病の専門医による診査・診断が勧められます。では歯周病専門医は一般的な歯科医となにが違うのでしょう?
歯周病って治るの?
初期の歯周病であれば以前の状態に改善できることはありますが、歯周病が進行してしまい歯槽骨とよばれる顎の骨を溶かしてしまった場合元の状態に改善することは難しいことが多いです。現在では歯周組織再生療法と呼ばれる治療法があり溶けてしまった顎の骨など歯の周囲の組織を回復することができるようになってきました。しかしどの方でも適応できるわけではなく歯周組織再生療法ができるかどうかは精密な検査や診断が必要となります。
今回は日本歯周病学会における認定医・専門医・指導医についてお話していきたいと思います。
それぞれの資格の概要は以下のとおりです。
認定医※:3年以上研修施設で研修して、基本的な歯周治療の知識と技量をマスターした上で、認定医試験に合格した歯周病学会員。
専門医※※:5年以上、あるいは認定医取得後2年以上研修施設で研修して、専門的な歯周治療の知識と技量をマスターした上で、専門医試験に合格した歯周病学会員。
(特定非営利活動法人 日本歯周病学会より)
http://www.perio.jp/
歯周病治療はどの歯科医師でも行うことができる治療ではありますが、より専門性の高い治療を行うためにはしっかりとしたトレーニングを受け、上記のような学会の試験に合格することで歯周病学会の認定医・専門医・指導医であると掲げることができます。
歯周病認定医・専門医の特徴とは
歯周病治療は歯科医師免許を持っている歯科医師は誰でも行うことができますが、適切な診査・診断・治療計画の立案ができないといけません。特に重度歯周病の治療の場合においては個別の歯に対して精確な治療も必要ですが全体的な視野をもって治療計画を練ることができるというのがとても大切となります。歯周病認定医・専門医においてはこのような口の中全体の治療計画の立案などからはじまり、重度歯周炎になってしまった歯に対して行う歯周外科手術という手術のスキルも持ち合わせている必要があります。また歯周病は治療期間が長い病気の一つです。さらには日々進歩していく医療に対して常に新たな知識を取り入れていくために日々学んでいく必要もあります。歯周病認定医・専門医とはそのような知識、スキルなどを兼ね備えた歯科医師であるとされています。
歯周病の手術ってどういうことをするの?
歯周病の原因の除去が終わった段階で深い歯周ポケットが残っていたり、歯肉などの形態が不良でプラークが停滞しやすい状態であり歯周炎の再発が起こりやすい場合や審美的な問題や被せ物の装着を妨げるような歯周組織の形の異常などが認められた場合に行われる治療です。治療の目的により手術の方法はいくつかにわかれます。
組織付着療法:歯肉を開いて残ってしまっている歯石を除去して歯肉を元に戻す
切除療法:残ってしまったポケットを完全に除去するために歯肉を整える
歯周組織再生療法:溶けてしまった歯周組織を再生させる
歯周形成手術:歯肉などの形態不良などに対して形態の改善のために行われる
いずれも今後の歯周病の再発を防ぐために歯周組織の環境を改善を目的として行われます。
歯周病認定医・専門医になる上では上記の処置を行えることがスキルが必要となります。このような歯周病に対する外科的な手術が行えるようになるためには特殊なトレーニングが必要となります。
また外科手術のスキルもそうですがその治療計画を行う必要があるかどうかの診査・診断が大切です。