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プラーク(歯垢)とは?

投稿日:2022年3月3日 | 最終更新日:2024年2月3日

プラーク(歯垢)とは?

歯周病治療

プラーク(歯垢)は食べカスではなく、細菌の塊です。このプラークの中にムシ歯や歯周病の原因となる細菌がひしめいているのです。
プラークは歯のどの部分につくかによって「歯肉縁上プラーク」と「歯肉縁下プラーク」に分けられ、それぞれに棲みつく細菌の種類も違っています。

白くねばねばしてい、食後8時間程度でプラークができるといわれます。プラーク1mgのなかには、およそ300種類1億個ものの細菌が存在しています。

食後、口の中はミュータンス菌(むし歯菌)や乳酸菌などのはたらきで酸性になり、歯のカルシウムを溶かし始めます。歯のカルシウムが溶け出ることを脱灰といいます。
ごく表面だけ脱灰が起こった場合や短時間だけ脱灰が起きたときには、プラークがすぐに取り除かれれば、歯は再石灰化し自然に修復することもありますが、プラークが長期間ついたままであったり、歯の奥深くまで脱灰が進んだ場合には、この自然修復作用が妨げられます。このように歯の脱灰が元に戻らないところまで進んでしまい、歯に穴を開け始めた状態がう蝕(むし歯)です。とくに砂糖の摂取はプラークの形成と酸の産生をより促進させ、むし歯のできやすい状態を作ります。

口を開けたときに見える歯の表面だけでなく、歯と歯ぐきの境目にもプラークはたまります。プラークの細菌は、歯根に添って歯ぐきの奥深くまで繁殖していきます。細菌の作り出す毒素によって、歯を支えている骨(歯槽骨)がダメージを受けて、溶けてなくなっていくのが歯周病です。

歯肉縁上プラーク

歯肉縁上プラーク

歯肉縁上プラークとは、歯の見えている部分(歯冠部)についたプラークです。プラーク中の細菌が作り出す酸は、ムシ歯の原因になります。また、歯とハグキ(歯肉)の境目についたプラークは、歯周病の原因になります。

歯肉縁下プラーク

歯周病専門医

歯周病が進行して形成される歯周ポケットの中につくため、肉眼で確認するのは難しいプラークです。歯周病菌は酸素を嫌う細菌(嫌気性細菌)なので、歯周ポケットの中の酸素が非常に少ない状態を好んで棲みつき、バイオフィルムといわれる強固な塊を作って定着しているのです。

これらの細菌は、中~重度の歯周病である歯周炎の発症や進行に関係しています。またその歯周炎を発症、進行させる力には歯周病菌の毒素も関与しています。

プラークを除去して、ムシ歯/歯周病を防ぐ

プラークを除去するには、毎日の歯みがきが重要です。よくみがいたつもりでも、歯と歯の間はみがき残しが多く、大部分にプラークが残っています。これらのプラークを除去するためには、ハブラシに加えて、歯間クリーナー(歯間ブラシやデンタルフロス)の使用が大変効果的です。正しい歯のみがき方を身につけて、プラークを除去し、ムシ歯・歯周病を防ぎましょう。

また、歯科医院で定期的に健診を受けることで、必要に応じて専門的プラーク除去を受けることができ、お口を常にプラークの少ない状態に保つことができます。

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