歯周病専門医

歯周病の治療方法

投稿日:2022年3月3日 | 最終更新日:2024年2月3日

歯周病の治療方法は?

歯周病とは?

歯周病とは、歯の周りの組織に炎症が起きている病気のことです。簡単に言うと、歯を支える歯ぐき(歯肉)や骨(歯槽骨)が壊されている状態。
さらに、症状の進行度によって2つの病気にわかれます。

  1. 炎症が歯ぐき(歯肉)だけに留まっている状態が歯肉炎。
  2. 骨(歯槽骨)まで広がっている状態が歯周炎です。

歯周病は、痛みがなく静かに進行するのが特徴。腫れや出血、歯のぐらつき等で気づいたときには、骨(歯槽骨)まで炎症が広がっている場合もあるのです。
そのまま重症化すると、歯のぐらつきが強くなったり、物が噛めなくなり、歯が抜け落ちてしまうこともあります。
歯周病は大人はもちろん、小中学生でもかかる可能性があります。症状は全身に影響することもあるので、原因を理解したうえで予防に務めましょう。
歯周病の原因は、おもに歯肉が歯に接する付近に存在する歯垢中の細菌が原因で進行します。
歯肉と歯の間にできた歯周ポケットといわれるスペースが歯周病が進行するにつれ深くなり、細菌の増殖する空間が増え、歯肉を腫らし骨を溶かし、やがて歯は抜けてしまいます。

歯周病の進行

歯周病はその進行の程度により、いくつかの治療が適応されます。

1)基本治療

歯周病の進行の程度にかかわらず、初めに行われるべき治療が歯周基本治療です。原因である歯垢の除去および歯石の除去、歯の根の面の滑択化、ぐらぐらする歯の咬み合わせの調整などです。

歯垢の除去をプラークコントロールといい、 歯科医院で器械的に行うこともあります。

基本治療では、

  • 歯垢(プラーク)や歯石の除去
  • 歯の滑沢化
  • 噛み合わせの調整

などを行います。

まずは、歯についた歯垢(プラーク)や歯石を取り除きます。さらに、歯表面を綺麗にすることにより、歯垢(プラーク)がつきにくくなるようにします。

また、噛み合わせがずれている場合は調整します。実は、歯周病の進行につれて、噛み合わせにも影響することがあるからです。そのままにすると、歯周病をさらに悪化させる可能性もあるため、同時に治療していきます。矯正治療が必要な場合もあります。

ス ケーリングは歯の表面や根の表面の歯垢歯石を器械で取除く事です。ルートプレーニングは歯の表面がざらざらしたり、歯石で満たされていたり、毒素や微生物で汚染された表層を除去する方法で、多くの場合スケーリングと同時に行われます。

 また、歯周病の進行に伴い歯は動いてきますが、動いている歯で噛むとさらに負担が増すため、その負担を軽くするために歯を削るなどして咬み合わせの調整を行います。それでもぐらぐらして噛みづらい場合は歯科用の接着剤で隣の歯と接着し、ぐらぐらを抑えていきます。

これら基本治療により歯周組織が改善され、ポケットの深さが浅く(2~3mm)維持されればメインテナンス(定期検診)に移行します。

基本治療

進行した歯周病

歯周炎とは、歯肉炎がさらに進行した状態です。

症状は、

  • 歯ぐきの腫れや出血
  • 歯が揺れる
  • 歯周ポケットから膿が出る

などがあります。

歯周炎は歯周ポケットがさらに深くなり、隙間に歯垢(プラーク)が侵入しやすくなった状態です。

歯垢(プラーク)が侵入することにより、歯を支えている骨が破壊されて、歯がグラグラと揺れ始めるのです。場合によっては、歯が抜けてしまう可能性もあるので、少しでも症状がある場合は歯周病専門医に相談しましょう。

歯周炎は、症状の進行具合でさらに軽度・中等度・重度にわけられます。急速に重度の症状まで進行した場合は、強い腫れや痛みを伴う場合もあります。

歯周外科治療

Fope

歯周基本治療を行っても症状が改善されない場合や、歯周ポケットが深い場合は、歯周外科治療を行います。

外科治療とは、歯茎を切り開いて中に溜まった歯石を取り、元に戻す治療です。歯周ポケットが深くなってくると表面から歯石は取り切れません。そのため、歯茎を切り取って歯石を取る必要が出てきます。
保険適用の治療で、海外では一般的な方法ですが、日本では断る方もいらっしゃいます。

歯周再生療法

また、歯周組織再生療法という治療が適用できる場合もあります。これは、歯を支えている歯周組織を再生し修復させる方法です。一部分だけ骨が減っている場合に限りますが、ある程度骨や歯ぐきを修復できる可能性もあります。
しかし、あまりに重度な歯周病まで進行していると、このような治療も困難になります。進行する前に歯周病専門医を受診していただくのがおすすめです。

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