入れ歯(義歯)の治療
抜けた歯をそのままにしていると、よく噛まないままの食べ物が胃に行くので、胃腸に負担をかけます。
歯が抜けたあとの治療方法として、入れ歯(義歯)があります。
訪問歯科での入れ歯の治療に関して、このような事例もあります。
「痛くて合わない入れ歯をしばらく使っていなかった」
しかたがないので、おかゆなどしか食べていなかったそうです。
合う入れ歯を入れたら
→大好きだったお肉が食べられるようになった
→普通食が食べられるようになり、気力と体力が出て、寝たきりだった人が歩くリハビリを始めた
噛むことで脳が活性化するのです。
さらに、普通食は流動食よりも栄養が吸収されやすいというメリットもあります。
「金属の引っ掛かりの部分が気になる」
とてもよく受ける相談です。
「見た目が気になって、外出する気にならない」という話もよく聞きます。
そのような気になる事で「あんな方法とこんな方法がありますが、どうしましょうか?」と相談し、気になるところを少しでも減らす方法を検討します。
そのような「痛い」などの症状がないことでも大丈夫なのです。
このようなこと、となど思わなくていいのです。
訪問歯科診療でも入れ歯(義歯)の作成・調整が外来と同じようにできます。
入れ歯の作成5つのステップ
入れ歯ができるまでの作成工程は、おもに5つあります。その後に、調整が始まります。
簡単な型を採る
残っている歯の状態と歯肉の状態を診ます。
簡単な型を採って、患者さん専用のトレーを作成します。
精密な型を採る
上下に分けて精密な型を採ります。
型を採る時は、鼻から息をゆっくり吸っていただくと、比較的楽に型を採ることができます。
咬み合わせを採る
咬み合わせ部・高さ・位置を決め、しっかりと咬める入れ歯を作ります 。
試適(してき)
歯のサイズや並び方等、最終的にチェックをします。
完成(装着)
新しい入れ歯は、すぐうまく噛めることもありますが、噛めないこともあります。
ある意味、これからが「スタート」です。よく噛めるように調整します。
調整
歯ぐきの痛いところや、咬み合わせを調整します。平均で慣れるまで、4~10回程度かかります。個人差があります。
定期的な調整
引っかかりの金具は金属なので、何度も取り外しをすると、少しずつゆるくなります。
入れ歯の歯は、プラスチック製なので噛む力によってすり減ります。
噛みグセで右だけが減ったり、左だけが減ったりすると、合わなくなり痛みが出てきます。
そのようになってからでは義歯を作り替える必要がでてくることもあります。定期的な調整が大切です。
また、年と共にあごの骨の状態などお口の中も変化しますので、対応が必要です。
他のお口の状態も併せて拝見いたしますので、気兼ねなく定期的な調整に訪問歯科をご利用ください。
入れ歯の扱いの注意事項
初めて入れ歯を入れる方にとっては、入れ歯をどうやって扱ったらいいかわからないと思います。
下記のことに気をつけてください。
- 落とさない(破損の原因になります)
- 曲げない
- 削らない
- 熱湯に入れない(変形の原因になります)
- 乾燥させない(変形の原因になります)
- 常に清潔にしましょう。
入れ歯のお手入れのコツ
入れ歯も、飲んだり食べたりしていれば、自分の歯と同じように汚れがつきます。
食後は、必ず入れ歯を外して掃除してください。
総入れ歯の場合、寝るときは必ず入れ歯を外してください(歯ぐきの安静と口内炎の予防のため)。
外した入れ歯は、水の中に入れて保管してください。
痛いからといって、入れ歯を自分で削ったり金属の部分を勝手に調整しないでください。
入れ歯(義歯)の種類
部分入れ歯(partial dentures)
部分入れ歯は、何本かの歯が連なって失われてしまった場合に作成します。
床(しょう)という土台の上に、バネと人工歯で支えとなる歯に取り付ける仕組みです。
形はお口と歯の状態で決まります。
歯が1本も無い場合に、総入れ歯を使用します。
総入れ歯(full dentures)
床の上に人工歯を並べた仕組みのものです。
支える歯が無いために調整に、時間がかかります。